連れて来られたのは、さっきより少しタバコの匂いがする部屋。
雑誌やマンガ、洋服なんかが乱雑に置かれていて、控えめに言っても荒れていた。
そんな中でもベッドの辺りは整頓されていて、枕元の小さなテーブルの上に私の鞄は置かれていた。
「……こんな部屋に置いちゃってすみません。鞄、匂いついちゃったかもです」
「……や、大丈夫。わざわざありがとうね」
そんなことまで気にしてくれるなんて。しっかりした子なんだな、なんて思う。
きっと私みたいな作り物の“いい子”じゃなくて、根っからのいい子なんだろう。
自分と同じような人って、わかるものだし。彼からは同類の匂いはしない。
「あの、紗菜さんは……、その、紗菜さんの気持ちってどこにあるんですか?」
「……え?」
「や、なんだか無理してるように見えたので。……笑うときもなんか、朧さんの外向きの顔に似てて……」



