時田さんが何を聞いてこようとしたのか、気にならないと言ったら嘘になる。
けれど聞き返せるほど気軽に彼に接することなんて、私にはできなくて。
モヤモヤしたものをグッと飲み込んだところに、朧さんが来た。
「オハヨー紗菜チャン。いー朝だねー。よく眠れた?」
「……まあ、はい」
朧さんに対して素直に返事するのがなんだか悔しかったけれど、こんな時間まで寝ていられたのなんて久しぶりで、肯定するしかなかった。
きっと私はこの人とはどれだけ関わってもこんな感じなのだろう。そういうことに関しては昔から悟るのが早い。
対して時田さんは本当に丁寧にしてくれる。でも彼とも仲良く……“気兼ねなく”付き合うことになる日は来ない気がした。
きっと彼はどれだけ経っても“さん”呼びしかしないと思う。朧さんより数倍いいけど。
「なんなのー?その煮え切らない返事。まあ別に紗菜チャンが寝れてよーがいまいがどーでもいーんだけどね」
………。いちいち私に突っかからないと気が済まないのだろうか、この人は。



