「加瀬くん加瀬くんっ!」 私は加瀬くんの側に駆け寄り名前を呼ぶ。 「…いてぇ…」 「どこが痛い!?」 加瀬くんは痛いところを抑えながら顔を歪める。 大ごとになると思わなかったであろう、 足を引っ掛けた人は何もできずその場に立ち尽くしていた。 「ちょっと!!わざと引っ掛けといて謝罪とかないの!?」 私はカッとなり、その人の目の前に立った。 「芹奈、いいから…」 加瀬くんは止めてきたけど、 私の怒りは収まらなかった。