嬉しそうな藍ちゃんの声が聞こえた瞬間、大きな音がした。 方向的に、ドアの方から。 思わずビクッとなった私を、藍ちゃんが優しく抱きしめてくれた。 「……康生、おかえり」 ───芦名くんが帰ってきた? 「………野乃」 楓さんの声に返事もせず、真っ先に芦名くんが呼んだのは私の名前。 嬉しくて、そして驚いて、 さらには少し───その声が怖くて ドキッとした。