桝田くんは痛みを知らない

 納得いかないようにそういうヤザワくんを見て、ハッとする。


「ねえ、ヤザワくん」

「ん?」

「ヤザワくんは。桝田くんが、放っておけないの?」

「はあ?」

「学園祭の実行委員としてっていうよりは。クラスメイトとして。桝田くんに学園祭に積極的に参加して欲しいの?」

「なに……言って」

「ううん。学園祭だけじゃなくて。桝田くんに、みんなと打ち解けて欲しいの? せっかくの高校生活楽しもうよって、言いたいの?」

「なんで俺が。アイツに。……そんなこと思ってやんなきゃ、なんねーの」


 そういうヤザワくんの顔が、言葉と裏腹に、赤くなっていくのがわかる。


「ははーん。そういうこと」


 ニヤッと口角をあげる、えみる。