「すごい列だね」


 やってきたのは、占いの館。

 ……に続く行列の最後尾。


「きっと、これでも少なくなったと思うよ。さっきは下の階まで続いていたんだって」

「それはすごい。もうちょっと空くまで待ってようか」


 ひと気のない空き教室にやってくる。


「ヨシヒサくんだけ。当番が長いって、聞いた」


 人気すぎて交代させられないって感じなのだろう。


「彼が心配?」

「!!」


 顔に、出ていたかな。


「大丈夫だよ。この程度でへばる男じゃない」

「うん。そう、だよね」

「そうじゃなきゃ困る。これから君を守っていく男なのに」


 ――――!


「そんな弱い男なら。安心して任せられない」

「マサオミ、くん」

「古都ちゃんから離れてみて。……避けてみて、気づいた。君が他の男のモノになるのは嫌だけど。君と関わることができないのは。とても辛い」