「マサオミくんは。もう二度と、わたしと話したくないって。……すごく、嫌われちゃった」

「そうじゃない。遠ざけたんだ。そうでもしないと、自分を抑えられないから」

「……ヨシヒサくんは。マサオミくんのこと、よくわかってるんだね」

「同じだから」

「…………おなじ?」

「アイツの好きと、俺の好きは。広い意味では同じだから。もし。今夜、古都のこと宗田がボロボロにしてたら。俺はアイツのこと。ぶん殴るくらいじゃ済まなかった」


 ――――!


「誰しもが。あったかい面と、それから、冷たい面の両方を持ち合わせてると俺は思う」


 あたたかさと、つめたさ。


「アイツと俺に共通することは。どうしようもなく、古都が好きってことだ」

「……っ」

「俺は優しくなんてないから。アイツみたいに、自分の気持ちを押し殺して、古都を遠ざけたりなんて、もうできそうにない。その代わり。絶対に、離さない」


 ――――ヨシヒサくん


「やっぱりアイツのとこに戻れなんて、言ってやらない。それでも離れたいなら。離れればいい」

「ヨシヒサくんから。……離れる?」

「そのときは、追いかけるから」