「あ、ごめ……」


 そうだよね、桝田くん下敷きになってるもんね。

 って、待てよ。


「桝田くんがわたしを引っ張るから、こうなったんだよ!?」

「色気ゼロ」

「へ?」

「密着してもなお。襲いかかりたくならねえ」


 …………!?


「なんつーか。あれだ。園児の相手してる気分」


 そう言われて、脳内に、幼稚園児と先生が戯れているイメージが広がる。


「……怪獣ごっこ。みたいな?」

「わかったならどけ」

「ひ、ヒドくない!?」


 ベッドからおり、制服を整える。


「だけど事実だ。きっとオマエの好きなやつも。そんな目でオマエのこと見てんじゃねえの?」


 ズキン、と胸の奥が痛くなる。


「どうすれば。……いいの?」


 わたし、もう高校生なのに。

 小さな頃となんにも変われてないの?