ため息をつくと、わたしの服を手荒に脱がし始める桝田くん。


「えっ……!? ちょ……と。見ちゃ、ダメ!」

「見ないでどうやって着せんの」

「それは。わたしが、羽織ってから……仕上げ的なことをお手伝いしてもらえたらなと」

「まどろっこしい。さっさと脱げ」

「脱ぐっ……て。パンツ、も?」

「は?」


 桝田くんが手を止め、目を丸くさせる。


「え、なんか。浴衣を着るときには下着を外すとか、そういうハナシを。聞いたことがあって」

「つけてていいに決まってるだろ」

「あ、そうなんだ!」

「まあ。俺は。……なんもつけてねーほうが、いいけど?」

「え!?」

「どうせ園児みたいな綿パンはいてんだろ」

「っ、ちが……う」

「はやく脱げ。時間なくなる」