「まさか。マサオミくんが、そんなこと考えてるわけないよ。知ってるでしょ。わたしがマサオミくんから女の子だと思われてないこと」


 桝田くんは、なにも答えない。


「それに、マサオミくんは。わたしの保護者代わりみたいなものだから」

「保護者だ?」


 眉をひそめる、桝田くん。


「うん。うち、厳しいんだよね。友達同士の遊園地って普通なら許してもらえないんだけど。マサオミくんが一緒ならいいよってお母さんが許可してくれた」

「……親公認かよ」

「水族館いきたいけど。ちょっと遠いし。怒られちゃう、かも」


 行きたかったな、水族館。

 桝田くんと。


 ……デートしたかったな。



「だったら、どこならいいんだよ」


 …………!


「場所はオマエに任せるから。ぜってえ土曜はあけとけよ」

「うん!」