どうせ、ろくな話じゃねーんだろ。
聞きたくないよ。
彼氏という時点で俺の方が完全に負けているのに、何を話すことがあるんだろうか。
「そんなに拒絶しなくてもいいのになー」
先生の彼氏は俺の視界に入るように、俺の顔を覗いてくる。
「…」
早くどっか行ってくんないかな。
せっかく今日は先生と話せて、先生に触れられて嬉しかったのに。
お前のせいで台無しだよ。
「無視?じゃあ、
俺が莉子の彼氏じゃないって言ったらどう?」
「は?」
「やっと反応してくれた」
なに言ってんだこいつ。
彼氏じゃない?
うそだろ?
「キミ、里巳くんだよね?勘違いしてるよ。
俺は莉子の兄だよ」



