俺の気のせい?




「なんにもないなら、いいんですけど」




先生と久しぶりにこうやって図書館にいる。


出会った頃のことが
もうずっと昔のように感じた。




「里巳くん、私そろそろ帰るね」


先生がそう言って、時計を確認するともう19時を回ろうとしていた。


先生が勧めてくれた本に夢中になりすぎて時間の感覚を失っていた。




「里巳くんも遅くならないうちに帰るのよ」


先生が立ち去ろうとした時




「先生、待って」


俺は先生を呼び止めていた。