とりあえず近所をぶらぶらしてみるか

立ち上がると


立ち方が悪い
歩けば歩き方が悪い


いちいち指導してくる山崎に

「るせぇな
やってみせろ」


急遽、山崎も着替えた


「化けたな!」

「せやろ!」


書いたホクロのせいで
妖艶 という言葉がピッタリ合うだろう


君菊の時とは、また一味違う

そして、別人に見えた


俺達は、町を歩いた



時々男に声を掛けられたりした




どうやら、俺達はモテるらしい






さほど気にせず歩いていると
動きにくいせいか
疲れた



「お嬢さん達、休んで行かないかい?」




俺は、山崎の着物をつんつんと引っ張った



火薬のにおいがしたからだ