ストーカーは、男じゃ?
いや、私がそう思い込んでいただけで、背の高い明美なら可能性はある。
達実に送られてきたあのラインの通り、嫉妬に狂った明美の仕業なのか?写真を撮って私を怖がらせ、とうとう殺しにきた?
「でも、試合で怪我したらしいよ」
情報を集めに行っていた舞香が戻ってきた。
「試合で?」
「転んで捻挫したって。怪しいけどね」
「怪しいなんてもんじゃ__」
私は確かにストーカーの右手を刺した。だからストーカーは右手を怪我している。そして次の日、明美が右手に包帯を巻いて登校してきた。
これは偶然なのか?
私を襲った犯人はやっぱり、三浦明美?
いくら考えても答えは出なかった__。
「私、泊まろうか?」と舞香は言ってくれたけど、警察がパトロールしてくれているし、いつまでも甘えるわけにはいかない。
それに、私の中でストーカーは明美だという線が濃くなっていた。
誰かを特定することで、気構えができたんだ。
家に帰り、久しぶりに1人で過ごす。ずっと舞香が隣に居てくれたから心強かった。本当にありがたい親友だな__なんて感じながら眠りにつく。
いくらなんでも、昨日の今日で襲ってくるはずはない。
でもそれは、私の勝手な思い込みだった。