スミレの友人である
井上順子と川村百合子が
保健室に遊びにきた

ついでに
2年の丸山久美も

スミレの交際が決まったと
律儀にも
報告にきてくれた

菓子を用意すると約束したのを
覚えていたらしい

一応
コンビニで買っておいてよかった
と思った

ポテトチップスとチョコ
クッキーを長テーブルに広げて

自販機で買った紅茶とコーヒーを
並べて

席を囲んだ

祝福すべき
当のカップルは
デートがあるから

と、断ったらしい

スミレに告白したのは
2年生の杉田圭吾という男らしい

杉田は丸山久美のクラスメートで
なかなかの
好青年だと
話してた

「いや~
スミレはさ
生徒会長とデキてる思ったから

驚いたよね~」

なんて井上が話す

「付き合うって
言っても

2か月友達期間ってことで
仲良くなってから

っていう条件つきだよ?」
と川村

「面白い条件だな」

少しほっとする
俺がいた

2か月間は
スミレは他の男のものにならない

「スミレがすごく渋るから

杉田先輩が提案したらしいよ
よくわからないけど」
順子が説明する

「お前ら
保健室を食い散らかすなよ」

「え?
もう遅いよ~

ポテチをセレクトした
時点で
先生のチョイスミスだから」

悪びれもなく井上が口から
菓子の破片を飛ばしながら
言った