そ、それは困る。



私が女子の目の敵にされちゃ困る。




「だ、ダメだよっ!だって、三河くん家庭科部じゃないでしょ?そもそも部員しか入れないんだよ?」



そうだよ、なんかどうぞどうぞでこんな感じになっちゃったけど、普通はダメだよね?



「部員…」




なに、キョロキョロしてるの?



「どこにいるの、部員」



あっ…たしかに、部員という部員私くらいじゃ…?




「ここにいますけど…」




私は自分を指さしながらそう言う。




「ふーん」って言いながら私を頭から足の先まで見てくる。

「じゃあいいよね?他にいないんでしょ?
入部するのめんどくさいし」




めんどくさいって…。




「別にいないってわけじゃないんだけど。まぁ、いっかな。わかった、明日も待ってるよ」



「うん、また来る」



三河くんは立ち上がって部室を出ようと歩き出した、と思ったらこっちに来る。



…?



「じゃあね、苺ちゃん」



「え…?あぁ、またね、みかわく…」



三河くんと言おうと思った瞬間、三河くんの顔がドアップで私の目の前に…。



へっ…?



チュッ




私の唇に三河くんのそれがあてられた。