三河蒼太くん、この高校で知らない人は
いないほど有名。
ふわっとしたブラウンの髪色に、まつ毛の長い大きな目、すっとした鼻筋に、薄い唇。
180センチはある高身長に、足も長くてモデルさんのような容姿。
カッコイイとも思うけど、どこか可愛げのある甘いマスクに虜になる女の子は星の数。
だけど、一つ変わったところがあるという。
それは、大の甘いもの好きの”甘党男子”。
バックの中にはいつもチョコを持ち歩いていて、常に甘いものを食べれるようにしている。
そんなことを、風の噂で聞いたことがあったけど、まさかほんとに情報のまんまだなんて…。
これは誰がどう入手した情報なのか。
知らぬが仏…かな。
「何人の顔じろじろ見てるの。なにかついてる?」
あっ、やっちゃった。あまりにもカッコいいからまじまじ見ちゃった。
「いや、なんでも。えっと、三河くん?」
「なーに」
マイペースだなぁ。
「あのね、もうすぐ部活動最終時間なんだけど…」
「そーなの?じゃあ、明日も来るね。これ持って帰ってもいーい?」
「いいよ…って、明日も来るの!?」



