「俺は、昔から絵をかくことがすきだけど、どうしても少女漫画チックにしか書けなくて.......家にあるのが少女漫画ばかりだったからなんだけど」



少し照れくさそうに話す原崎くん。



「似合わないね.......」


「だから、うるせーよ。でも、俺に少女漫画の話なんてかけるわけねーし。だから、あんたには感謝してんだ」


「あたしだってしてるよ.......。金賞とれたのは、原崎くんのおかげだから」



ずっと思ってたし、ずっと感謝していた。
でも、この人がいなかったら、きっと普通に美術部に入っていたんだろうななんて考えたりもするけど。



「あんたのストーリーがあって、俺の絵は動くんだ。だから、金賞はあんたの実力だよ」


「.......っ」



ずっと後ろめたさがあった。
ずっとこのままでいいのかってもがいていた。

でも、このままでいいんだよって言われたきがした。



「これからはさ、2人で活動していこうぜ。俺の絵もきちんと相談しながら描きたいから」



いままでは、ストーリーをあたしが提出して、そこに絵がつく形で。
少しくらいイメージと違ったりしても、受け入れるしかなかった。



「これから、よろしく。キューくん」



初めて、自分の仕事を認めれた気がした。
初めて、金賞を認めれた気がした。

原崎くんに出会えて、あたしはまた作品に向かえるんだ。

-Fin-