「夕立じゃなくて夜立だよなぁ。」

 俺は夜空に光る雷を見てつぶやいた。
まっ、夕立だと客足変わっちまうしいいけど…
って思ったか思わないうちに雷が光った。瞬間メッチャでっかい音がしたと同時に、ウチん中も窓から見えてた灯りも全部消えた。

「めんどっちぃ。停電かよ」
俺はまた独り言を言った。何か25過ぎてからオッサン化してるよなぁ。ヤバい。ヤバい。
『しゃあなしや。懐中電灯取りに下降りよ。』
と、今度は口に出さず雷の灯りを頼りに階段を降りる。
雨戸を閉めてる下に降りると、自分が目を開けてるかすら分かんなくなるような暗闇が広がっている。

「姉ちゃん懐中電灯どこにあるんな」
階段とこから動かずに聞く。
「脱衣場の棚~」全く取りに行く気のない姉ちゃんの声が居間から返ってきた。