「お父さん、おはよう」

声が上ずってるのが自分でも分かる。

お兄ちゃんも、同じ。
うつむいている。


「紗矢、きょうバイト??」

お兄ちゃんが聞いてきた。

「あ・・うん」

「そっか」

お兄ちゃんはそういってコーヒーを飲む。

「紗矢、バイトしてるのかぁ」

悲しげにお父さんがつぶやいていた。