「愛の力ってどんなパワーを持ってると思う?」
いきなり、お父さんが言った。
どういう意味?
「どういうことだよ。」
さすがお兄ちゃん、思ってたことを代弁してくれる。
「俺が再婚しようとしている人はな、実和さんって言うんだ。俺より4つ年下の。
優雅で、おしとやかで、完璧な人だよ。」
「いきなり何言い出すかと思ったら・・・自慢かよ」
おにいちゃんはあきれながらいっている。
「ちがうんだ。会社ではじめてあったときに一目ぼれだった。告白したら彼女がOKしてくれて。結婚してくださいっていったんだよ。」
「俺たちの承知なしにな。」
お兄ちゃん、あきれてる。
「それは悪かった。お前たちにも話すべきだったよ。実和さんは子供が2人いるし、妻が亡くなっている。って言っても動じなかったんだ。「それでもいいです。優さんと、そのお子さんといっしょに暮らせるなんて夢みたいです」って。」
「だからどうした?」
「普通、妻が死んで、子供もいるのに結婚してくれるなんて言ってくれる人あまりいないと思うぞ。しかも向こうは離婚したばっかだ。」
「はっ!?お互い再婚かよ!!」
お兄ちゃんにすべてを代弁してもらうしかないと思った。

