急いでそれを裏返し差出人を見ると、綺麗な女子らしい字で、〈村田 まゆきより〉とかかれている。

は…?なんで先輩が俺の住所知ってるんだ…?

俺は他の封筒の差出人も確認する。





――――――全て先輩からだった。






しかも、郵便局からの判子が押されていない…。

って言うことは、これは全部先輩がわざわざ俺の家まで来て届けたってことになる。

ふらっとした感覚が襲ってきて、俺は壁に寄りかかる。

バサバサと封筒が落ちる。

「なんだよ……」

落ちた封筒の宛名を見ながら俺は呟いた。

「もう、俺の逃げ場ねぇじゃん…」

鳩が一匹、その場から飛び去った。