中学校に進級して、俺はバスケ部にはいった。

バスケなんてやったことないから、最初は全然できなかったけど、そんな俺をいつも励ましてくれる人がいた。






村田(むらた)まゆき――バスケ部2年のマネージャーだ。





先輩は明るくて可愛くて、人気だった。

「岡本君!今のシュート最高だったよ!」
「岡本くん!いつも頑張っててかっこいいね!」

俺は女子は真於にしか興味なかったけど、先輩の応援をいつしか便りにしている俺がいた。

そんな一年の夏休み練習のこと。

休憩時間に先輩は俺に言ってきた。

「ネェ、今から隆之って呼んでもいい…?」

上目使いの媚びるような目だった。

どこか声も甘ったるくて。