また、キスマーク?!

「んっ…!ヤダッ…!隆之…!!」

隆之はわかっているんだ。

私が首元に異常に弱いの。

何度も、何度も、首元に鋭い痛み。

「隆之…、やめて!」

私は精一杯の力を振り絞って叫んだ。

どうしよう。

鼻がひくひくして止まらない。

隆之は、ピタリと動きを止め、私の首もとから顔を離す。






その顔は、――――――――ひどく悲しい顔だった。





それが、なんだかあの引っ越し前の悲しい顔に似てるような気がして。

「隆之…?」

私は恐る恐る隆之の名前を呼ぶ。

それに反応した隆之は、鋭い目付きで私を睨む。

射止められるような感覚が体に走る。