「ふふっ。美人な友達に感謝しろよー?」

美和がおどけて言った言葉に、苦笑してしまう。

まあ、本当に美和は美人なんだけれど。

「本当にありがとう、美和。おやすみ」

「……おやすみ」

「美人な友達」部分をスルーしてそういうと、少し不機嫌な声で返事が帰ってくる。

電話を切ろうとしたところで、私はあることを思い付いた。

待って、美人な美和なら……!

「ま、待って!美和!」

私は咄嗟に電話口に叫んだ。

「うわ!ビックリした…!」

美和が驚いたようで高い声をあげる。

私が隆之に振り向いてもらうためにしなきゃいけないこと…。

そのためには。

「美和、私にメイクを教えてくれないかな…!?」

それは、まず、どんな女の子よりも綺麗になること。

だけど、美人な美和から返ってきたのは意外な言葉だった。

「メイク…?私、メイクなんてしたことないけど」

予想外の友達の言葉に、私は固まった。




え…、それは前途多難すぎるって…。