私と隆之が小学校に入学しても、関係は変わらなかった。



入学式の日に、私の学校では、席が隣同士だった子と、手を繋いで入学式を行うという、決まり事があった。

私は、隣の席の男の子と手を繋いだ。

手を握られた瞬間に、何かが違うと思った。

隆之と手を繋いだ時と違って、全然ドキドキしなかった。

隆之と繋いだときは、もっと、心臓が暴れまわってるんじゃないかって思うほどに、身体中に心音が響くのに。

私は、この手を繋ぐのが、隆之だったら良かったのに、って思いながら、チラリと隆之の方を見た。

もしかしたら、隆之と目が合うかも、と思った。

ほんのちょっとの期待と、自信があった。

だって、私は隆之の事好きだし、隆之も私の事が好きでしょう?

だったら、考えてることもきっと同じだよね。

傲慢にも、私はそんなことを思っていた。

けど、そんなことはなく。