「じゃあ、自己紹介を」

松宮先生が教室の外にいる転入生に入るよう促す。

転入生が教室に入ってくる。

転入生は、はい、と答えると、ハキハキと自己紹介を始めた。

「岡本(おかもと)隆之です。秋田県から来ました。元はこっち育ちです。よろしくお願いします」





―――ドクン、と心臓がなった。





嘘でしょ、本当に隆之だ。

私は胸を抑えた。

どうしよう。

私、これ以上ないってくらいドキドキしてる。

後ろから美和がニュッと首をつきだした。

「もしかして、あれが隆之?」

「うん、そうだと思う…」

私は美和の質問に答えながら、ずっと隆之から目がはなせなくて、馬鹿みたいにずっと隆之を見つめていた。

隆之は、七年たって、男の人に成長していた。