「え…」

美和の言葉にどきりとした。

美和はニヤニヤしながら、こちらを見ている。

「隆之だといーね」

思っていることを美和に言われて私は恥ずかしくなる。

一気に顔が赤くなっていくのを感じる。

「お?なんだ?照れてるのか?かわいいやつめー♪」

美和は笑いながら私の頬をつねった。

「やめへほぉ、いふぁいなぁ」

私はそういいながら、嫌じゃなくてしばらく美和に頬をつねられていた。





「おーい、ホームルームやるぞー。お前ら席つけー」

担任の松宮(まつみや)先生が入ってきて、教室は一気に静かになった。

松宮先生、普段はいい先生なんだけど、怒るといろいろ面倒なのだ。

「今日は転入生がきてるからなー」と何でもないことのように松宮先生がいう。