「ほら、早く行くぞ」

「あ、うん!」

私は隆之の自転車の荷台のところに乗る。

本当はしちゃいけないんだけど、私は手を切ってしまって、包帯でぐるぐる巻きにされているから、自転車のハンドルが掴めないんだ。

だから、これはしょうがない。





―――教室に着くと、真っ先に美和が飛び付いてきた。






「真於!あんたその傷どうしたの⁉」

美和が心配そうに言う。

実は、美和に変な心配させたくなくて、怪我の事はまだいってなかった。

私は、苦笑すると
「ちょっとカッターで切っちゃって」
と言う。

本当の事なんて、言えるわけがない。

でも、半分くらいは本当でしょ?