「今日はメイクしてないんだな」

「隆之がするなって言ったんでしょ?」

私は少しムッとする。

メイク用品揃えるのに、財布の残金が半分以上減ったのに。

「へー、俺の言い付け、ちゃんと守ってるんだ?」

隆之は嬉しそうに言うと、私の頭を撫でる。

「良くできました」

隆之はそういうと、くしゃっと笑った。

久しぶりに見た、隆之のお日様みたいな笑顔。

私は嬉しくて胸がジーンとなっていく。

そんな私を見て、隆之は不思議そうな顔をする。

「何ボッーとしてんだよ、真於」

隆之はそう言うと、私の頭から手を離してしまった。

あーあ、ちょっと残念。もうちょっと撫でてほしかった。