少しの息抜きとばかりに、手を休めて図書室の大きな窓から外を眺める。
西棟最上階にある図書室からは綺麗な夏空が見えていて、大きな入道雲は手を伸ばせば触れられそうだ。
「ごめんね、ナナ。今日は行けそうにないかも、公園」
年季の入った壁掛け時計を眺めて梨乃が申し訳なさそうに呟く。
時計は四時半過ぎを指していた。
作業はほとんど終わっているとはいえ、今からすぐに片づけて公園に向かっても五時は過ぎてしまうだろう。
「いいよ、そんなの気にしないで。元々今日は行く日じゃなかったし。それに三日も付き合ってもらったんだもん。謝るのは私のほうだよ?」
「でも……」
脚立から降りた梨乃が、積み重ねていた本を書架に戻しながら言葉を濁す。
「本当にいいの! これも運命だったのかもしれないんだから。なにより公園に行けてよかったし、今自分ができる精一杯をやり遂げた気がしてスッキリしてるの。あ、でもゆきちゃんが見つからなかったのはちょっと残念かな? イケメンだったかもしれないでしょ?」
最後は少しおどけて言う。
今の私ができるすべてをしたつもりだから後悔はない。
これは本心だし、なにより個人的な事情にたっぷり付き合ってくれた親友には感謝してもしきれない。
西棟最上階にある図書室からは綺麗な夏空が見えていて、大きな入道雲は手を伸ばせば触れられそうだ。
「ごめんね、ナナ。今日は行けそうにないかも、公園」
年季の入った壁掛け時計を眺めて梨乃が申し訳なさそうに呟く。
時計は四時半過ぎを指していた。
作業はほとんど終わっているとはいえ、今からすぐに片づけて公園に向かっても五時は過ぎてしまうだろう。
「いいよ、そんなの気にしないで。元々今日は行く日じゃなかったし。それに三日も付き合ってもらったんだもん。謝るのは私のほうだよ?」
「でも……」
脚立から降りた梨乃が、積み重ねていた本を書架に戻しながら言葉を濁す。
「本当にいいの! これも運命だったのかもしれないんだから。なにより公園に行けてよかったし、今自分ができる精一杯をやり遂げた気がしてスッキリしてるの。あ、でもゆきちゃんが見つからなかったのはちょっと残念かな? イケメンだったかもしれないでしょ?」
最後は少しおどけて言う。
今の私ができるすべてをしたつもりだから後悔はない。
これは本心だし、なにより個人的な事情にたっぷり付き合ってくれた親友には感謝してもしきれない。

