「ええっ、そんな!」
美形なのになんて人使いが荒いのよ。
絶対ほかにも寝ていた人はいるはずなのに。特にこの隣の人とか!
「俺、今から大事な用事があるから頼むね」
「ちょ、ちょっと待って! 起こすって……そもそもこの人誰?」
「やっぱり原口さん、知らずにそこに座ったの?」
「知らない。ここ座っちゃいけない席だったの? でもプリントは置いてあったよ」
意味がわからない。一番前の席が嫌だからここに座っただけなのに。
「いいや? 女子の牽制具合が面白かっただけだし、原口さんが躊躇なくそこに座ってくれて助かったよ。そうだ、今後雪華の隣の席は原口さんにするよ」
雪華?
その特徴的な名前に嫌な予感がする。
「コイツ、寝起き悪いからごめんね。もしも扱いに困ったら電話して」
そう言って、私の机の上に置いてあるプリントの片隅に自身のものらしき電話番号を書きこむ。
それから手を振り教室を出て行き、残された私は呆然とその場で固まってしまう。
「ちょ、ちょっと!」
我に返って叫んでも時すでに遅し、教室内は眠っている男子生徒とふたりだけになってしまった。
美形なのになんて人使いが荒いのよ。
絶対ほかにも寝ていた人はいるはずなのに。特にこの隣の人とか!
「俺、今から大事な用事があるから頼むね」
「ちょ、ちょっと待って! 起こすって……そもそもこの人誰?」
「やっぱり原口さん、知らずにそこに座ったの?」
「知らない。ここ座っちゃいけない席だったの? でもプリントは置いてあったよ」
意味がわからない。一番前の席が嫌だからここに座っただけなのに。
「いいや? 女子の牽制具合が面白かっただけだし、原口さんが躊躇なくそこに座ってくれて助かったよ。そうだ、今後雪華の隣の席は原口さんにするよ」
雪華?
その特徴的な名前に嫌な予感がする。
「コイツ、寝起き悪いからごめんね。もしも扱いに困ったら電話して」
そう言って、私の机の上に置いてあるプリントの片隅に自身のものらしき電話番号を書きこむ。
それから手を振り教室を出て行き、残された私は呆然とその場で固まってしまう。
「ちょ、ちょっと!」
我に返って叫んでも時すでに遅し、教室内は眠っている男子生徒とふたりだけになってしまった。

