日村梨乃(ひむら りの)とは高校一年生で同じクラスになり、出席番号順の座席が前後の縁で仲良くなった。

百六十五センチメートルの身長、白い肌に艶やかな黒髪、少し吊り目がちの目をもつ親友には下級生のファンも多い。


私の名前は原口七海(はらぐち なつみ)、百五十六センチメートルの身長に肩までの猫毛の焦げ茶色の髪、母譲りの垂れ目がちの二重の目が特徴といえば特徴だ。

日焼け止めをしょっちゅう塗り忘れてしまうので、頬にはうっすらそばかすができている。


私たちは私立青蘭(せいらん)付属高校二年二組の生徒だ。学園の敷地内には幼稚園から大学までの施設がありとても広い。
大阪と札幌にも姉妹校があり、その名は全国に知られている。

私は『七海』という漢字表記のせいか、ナナミ、とよく読み間違われる。

クラスメイトの数人かは未だにナナミだと思い込んでいるだろう。

親友や親しい友人にナナと呼ばれているせいもあるかもしれない。