」
「だ、だってビックリしたの! 頼まれただけなのにふたりきりになりたくて仕組んだと思われるし、話を信じてくれないし。そもそもあのふたりが美化委員だなんて知らなかったのに!」
委員会に行きたくない、と項垂れると残念そうな目を向けられた。
「美化委員会って先月もあったんでしょ? なんで知らないのよ?」
「先月は先生が司会進行してたし、一番前の席だったから周りなんて見てない」
しかも一番前の席の廊下側一番端の席だ。
後方の席がざわついていた気はしたけれど、わざわざ後ろを振り返ったりはしなかった。
今回は会議のため、先生は不在だった。
「委員決めって、二年生が一番最初で全クラス同時期だったのよね。しかも十組はクジで決めたらしいから、あのふたりが美化委員になるなんて誰も予想できなかった。でもその後、他学年の女子たちが美化委員立候補に殺到したって聞いたわよ」
「……そうなの?」
机にうつぶせになりながら返事をする。人気を目の当たりにして面喰う。
「王子様が美化委員になったってファンの女子生徒が騒いでたじゃない、なんで知らないのよ? 三年生の従姉弟とファンに押し切られて委員長に就任した楠本くんが、同じクラスで親友の氷室くんを副委員長に推薦したらしいわよ」
梨乃の情報収集能力に舌をまく。
「だ、だってビックリしたの! 頼まれただけなのにふたりきりになりたくて仕組んだと思われるし、話を信じてくれないし。そもそもあのふたりが美化委員だなんて知らなかったのに!」
委員会に行きたくない、と項垂れると残念そうな目を向けられた。
「美化委員会って先月もあったんでしょ? なんで知らないのよ?」
「先月は先生が司会進行してたし、一番前の席だったから周りなんて見てない」
しかも一番前の席の廊下側一番端の席だ。
後方の席がざわついていた気はしたけれど、わざわざ後ろを振り返ったりはしなかった。
今回は会議のため、先生は不在だった。
「委員決めって、二年生が一番最初で全クラス同時期だったのよね。しかも十組はクジで決めたらしいから、あのふたりが美化委員になるなんて誰も予想できなかった。でもその後、他学年の女子たちが美化委員立候補に殺到したって聞いたわよ」
「……そうなの?」
机にうつぶせになりながら返事をする。人気を目の当たりにして面喰う。
「王子様が美化委員になったってファンの女子生徒が騒いでたじゃない、なんで知らないのよ? 三年生の従姉弟とファンに押し切られて委員長に就任した楠本くんが、同じクラスで親友の氷室くんを副委員長に推薦したらしいわよ」
梨乃の情報収集能力に舌をまく。

