今日から新学期が始まる。
いつものように私たち四人は学校の最寄り駅に降り立った。
改札を抜けると夏休みを終えた生徒たちの元気な姿が目に入る。
まだまだ夏の盛りといわんばかりの太陽が頭上に輝いている。
手を繋いでいる恋人を見ると、胸が痛くなるくらいに甘い微笑みをくれた。
「おはよう、ナナちゃん!」
甲高い、明るい声が背後から響き、振り返ると葉山さんが佇んでいて驚いた。
「……葉山さん……」
「もう、夏加って呼んでって言ったでしょ!」
ぷう、と頬を膨らませるその仕草も相変わらず可愛らしい。
「……葉山、七海になにか用か?」
警戒したように硬い声で言う雪華を一瞥して、彼女はヒラヒラと華奢な手を振る。
「雪華くんに用はないの。私はナナちゃんとお友だちになりたいの! もう雪華くんのことはキレイさっぱり諦めたから。私を好きになってくれない男に貴重な青春は費やせないわ。もっとイイ男を見つけるの!」
元気に言い切る彼女に梨乃が眉をひそめる。
「アンタ、その図々しい性格をまずなんとかすべきじゃない?」
「酷い! そんなイジワル言ってたら梨乃ちゃんも、もてないからね!」
「なんですって? あれだけギャアギャア泣いてたくせに、誰が慰めてあげたと思ってるのよ」
「うるさいなあ、お礼は言ったでしょ! いいじゃない、皆で友だちになったら」
文句を返しながらも、葉山さんの表情は晴れやかだ。
いつものように私たち四人は学校の最寄り駅に降り立った。
改札を抜けると夏休みを終えた生徒たちの元気な姿が目に入る。
まだまだ夏の盛りといわんばかりの太陽が頭上に輝いている。
手を繋いでいる恋人を見ると、胸が痛くなるくらいに甘い微笑みをくれた。
「おはよう、ナナちゃん!」
甲高い、明るい声が背後から響き、振り返ると葉山さんが佇んでいて驚いた。
「……葉山さん……」
「もう、夏加って呼んでって言ったでしょ!」
ぷう、と頬を膨らませるその仕草も相変わらず可愛らしい。
「……葉山、七海になにか用か?」
警戒したように硬い声で言う雪華を一瞥して、彼女はヒラヒラと華奢な手を振る。
「雪華くんに用はないの。私はナナちゃんとお友だちになりたいの! もう雪華くんのことはキレイさっぱり諦めたから。私を好きになってくれない男に貴重な青春は費やせないわ。もっとイイ男を見つけるの!」
元気に言い切る彼女に梨乃が眉をひそめる。
「アンタ、その図々しい性格をまずなんとかすべきじゃない?」
「酷い! そんなイジワル言ってたら梨乃ちゃんも、もてないからね!」
「なんですって? あれだけギャアギャア泣いてたくせに、誰が慰めてあげたと思ってるのよ」
「うるさいなあ、お礼は言ったでしょ! いいじゃない、皆で友だちになったら」
文句を返しながらも、葉山さんの表情は晴れやかだ。

