図書室で想いが通じた日、本名を知り、私がナツではないかと考えたらしい。
徐々に確認をしようと思ったらしいが、葉山さんが予想外に接触してきて、諦めないので急遽その裏付けをとるために私の母や自身の祖父に会ったという。
私がナツさんの存在を気にしていると気づいていた彼は真実を明らかにして私の憂いを払拭したかったという。
「……だから葉山さんにナツじゃないって言ったの?」
彼は小さく頷いた。
葉山さんは雪華にお姫様抱っこで保健室に運ばれた日に学校見学に来ていたという。
その時たまたま通りがかった保健室の窓から、私たちの姿と声が聞こえたらしい。
長い間会っていなかったとはいえ、会話の内容から彼の正体を理解した彼女は、自分こそがナツだと思ったそうだ。
きっと小さい頃の思い出の中でそんな話をしたに違いない、とそこは都合よく解釈したという。
「……葉山にはきちんと説明して、改めて気持ちには応えられないと言ったんだ。俺には七海しかいないから。七海だけが好きだからって」
迷いのない言葉が心に沁みわたる。
嬉しいけれど悲しい、その想い。
徐々に確認をしようと思ったらしいが、葉山さんが予想外に接触してきて、諦めないので急遽その裏付けをとるために私の母や自身の祖父に会ったという。
私がナツさんの存在を気にしていると気づいていた彼は真実を明らかにして私の憂いを払拭したかったという。
「……だから葉山さんにナツじゃないって言ったの?」
彼は小さく頷いた。
葉山さんは雪華にお姫様抱っこで保健室に運ばれた日に学校見学に来ていたという。
その時たまたま通りがかった保健室の窓から、私たちの姿と声が聞こえたらしい。
長い間会っていなかったとはいえ、会話の内容から彼の正体を理解した彼女は、自分こそがナツだと思ったそうだ。
きっと小さい頃の思い出の中でそんな話をしたに違いない、とそこは都合よく解釈したという。
「……葉山にはきちんと説明して、改めて気持ちには応えられないと言ったんだ。俺には七海しかいないから。七海だけが好きだからって」
迷いのない言葉が心に沁みわたる。
嬉しいけれど悲しい、その想い。

