「で、でも私、季節の夏の漢字はないよ?」
一番気になるところはそこだ。
「俺もずっとそれが気になってた。委員会で出会った時から、七海はナツと同じ台詞を言ってくれてた。でも俺自身、七海の名前をナナミだと勘違いしていたし……夏の漢字もなかったから違うのかって思ってた」
困ったように片眉を下げて言うけれど、その目はどこか楽しそうだ。
「七海のお母さんが答えをくれたんだ。この間、話してくれただろう? 小さい頃は自分の名前を季節の夏の漢字だと勘違いしていたって」
そうだ、確かにそう言った!
「確認したらそうだって教えてくれたよ。あの公園の帰り道に七海は『ゆきちゃんはお空の雪なんだよ、私の夏と逆でしょ。ママが読んでくれた絵本の王子様みたいでしょ』と話していたそうだ」
「そんな話、初めて聞いた……ごめんね。私がもっと早くお母さんに聞いていたら混乱もしなかったかもしれないのに……」
段々申し訳ない気持ちになってくる。
「いや、俺たちは誤解しあっていたんだから。それよりも今、こうして再会できてよかった」
心底嬉しそうに言って、私を抱く腕に力を込め頬に小さなキスをくれた。
一番気になるところはそこだ。
「俺もずっとそれが気になってた。委員会で出会った時から、七海はナツと同じ台詞を言ってくれてた。でも俺自身、七海の名前をナナミだと勘違いしていたし……夏の漢字もなかったから違うのかって思ってた」
困ったように片眉を下げて言うけれど、その目はどこか楽しそうだ。
「七海のお母さんが答えをくれたんだ。この間、話してくれただろう? 小さい頃は自分の名前を季節の夏の漢字だと勘違いしていたって」
そうだ、確かにそう言った!
「確認したらそうだって教えてくれたよ。あの公園の帰り道に七海は『ゆきちゃんはお空の雪なんだよ、私の夏と逆でしょ。ママが読んでくれた絵本の王子様みたいでしょ』と話していたそうだ」
「そんな話、初めて聞いた……ごめんね。私がもっと早くお母さんに聞いていたら混乱もしなかったかもしれないのに……」
段々申し訳ない気持ちになってくる。
「いや、俺たちは誤解しあっていたんだから。それよりも今、こうして再会できてよかった」
心底嬉しそうに言って、私を抱く腕に力を込め頬に小さなキスをくれた。

