「話?」
なんの話?
なにかあったの?
「……しらばっくれないでよ。知ってるんでしょ?」
今まで黙っていた葉山さんが低い声で呟く。
「だから私たちは今、登校してきたばかりでなにも知らないって言ってるでしょ? しつこいわね」
親友が冷たい目を向ける。
「……葉山。七海と日村にはまだなにも話していない。誤解だ」
葉山さんがフイッとそっぽを向く。
「だからって、どうして私がもう一度一緒に話を聞かなきゃいけないの? どうあっても私を選んでくれないんでしょ?」
「……ああ、俺は葉山を選ばない。七海が好きだから」
そう言って真っ直ぐに私を見つめる視線の鋭さに胸が詰まった。
「……馬鹿みたい。最初に出会ったのは私なのに。ナナちゃんより絶対雪華くんを好きなのに!」
大きな目からポロポロ涙を流しながら、切実に訴える姿は悲しみに溢れていた。
「……どうしてもダメなの?」
嗚咽をもらしながら悲鳴のような声で尋ねる。
「……ごめん。葉山が俺を想ってくれるように俺も七海を想ってる。……思い出のナツかどうかは関係ないんだ」
キッパリ言い切る言葉が胸に深く刺さった。
その真剣な想いを嬉しく感じてしまう自分。けれど同時に葉山さんの悲痛な気持ちが胸をついて心が軋んだ。
なんの話?
なにかあったの?
「……しらばっくれないでよ。知ってるんでしょ?」
今まで黙っていた葉山さんが低い声で呟く。
「だから私たちは今、登校してきたばかりでなにも知らないって言ってるでしょ? しつこいわね」
親友が冷たい目を向ける。
「……葉山。七海と日村にはまだなにも話していない。誤解だ」
葉山さんがフイッとそっぽを向く。
「だからって、どうして私がもう一度一緒に話を聞かなきゃいけないの? どうあっても私を選んでくれないんでしょ?」
「……ああ、俺は葉山を選ばない。七海が好きだから」
そう言って真っ直ぐに私を見つめる視線の鋭さに胸が詰まった。
「……馬鹿みたい。最初に出会ったのは私なのに。ナナちゃんより絶対雪華くんを好きなのに!」
大きな目からポロポロ涙を流しながら、切実に訴える姿は悲しみに溢れていた。
「……どうしてもダメなの?」
嗚咽をもらしながら悲鳴のような声で尋ねる。
「……ごめん。葉山が俺を想ってくれるように俺も七海を想ってる。……思い出のナツかどうかは関係ないんだ」
キッパリ言い切る言葉が胸に深く刺さった。
その真剣な想いを嬉しく感じてしまう自分。けれど同時に葉山さんの悲痛な気持ちが胸をついて心が軋んだ。

