正門を通り抜け、図書室に向かう。
本来なら靴を履き替えるために靴箱に向かうけれど、授業のない私たちは上履きは置いておらず、今日は持参して登校した。
「早く図書室に着きたい……」
梨乃がうんざりしたように青空を見上げて言う。
「わかる。図書室は涼しいもんね」
すかさず同意して階段に向かったその時、勢いよく階段を駆け降りてきた女子生徒と肩がドンッとぶつかった。
「ごめんなさい……っ」
「あ、いえっ、大丈夫ですか?」
同時に言い合って顔を上げた瞬間、お互いに固まった。
目の前にいたのは葉山さんだった。泣いていたのか、目と鼻が真っ赤になっている。
「葉山さん……? ……なにかあったの?」
ただならぬ様子に思わず声をかけると、唇を噛みしめた彼女にキッと睨みつけられた。
「……なによ、いい気味だと思ってるんでしょ?」
噛みつくように言われ、ぶつけられたむき出しの敵意に怯む。
「ちょっと、なによそれ」
私の代わりに隣にいた梨乃が言い返す。
「あなたには関係ない!」
葉山さんがキツイ声で応酬する。
「そういう問題じゃないわよ。言いがかりだって言ってるの!」
「なによ!」
本来なら靴を履き替えるために靴箱に向かうけれど、授業のない私たちは上履きは置いておらず、今日は持参して登校した。
「早く図書室に着きたい……」
梨乃がうんざりしたように青空を見上げて言う。
「わかる。図書室は涼しいもんね」
すかさず同意して階段に向かったその時、勢いよく階段を駆け降りてきた女子生徒と肩がドンッとぶつかった。
「ごめんなさい……っ」
「あ、いえっ、大丈夫ですか?」
同時に言い合って顔を上げた瞬間、お互いに固まった。
目の前にいたのは葉山さんだった。泣いていたのか、目と鼻が真っ赤になっている。
「葉山さん……? ……なにかあったの?」
ただならぬ様子に思わず声をかけると、唇を噛みしめた彼女にキッと睨みつけられた。
「……なによ、いい気味だと思ってるんでしょ?」
噛みつくように言われ、ぶつけられたむき出しの敵意に怯む。
「ちょっと、なによそれ」
私の代わりに隣にいた梨乃が言い返す。
「あなたには関係ない!」
葉山さんがキツイ声で応酬する。
「そういう問題じゃないわよ。言いがかりだって言ってるの!」
「なによ!」

