「これは勝手な推測なんだけど……あなたが寝不足と体調不良になったのは氷室くんが原因かしら?」
先生の言葉に身体が強張る。
「答えたくないなら言わなくてもいいのよ。冬の王子様、だなんて呼ばれるくらいの生徒だもの、恋人ならではの悩みや困惑もあるだろうし。ただなにか悩んでいるなら力になりたいと思ってね。校医というより、年上の幼馴染として」
「……私でいいのかなって不安になってたんです」
胸を渦巻く気持ちは複雑でうまく言い表せない。けれど一番感じている気持ちを先生の優しい声に背中を押されるようにポツリと呟く。
「それ、氷室くんには伝えた?」
こくりと頷く。
「彼はなんて?」
「……大事だって言ってくれました」
なによりも力強く言い切ってくれた。その気持ちを信じていないわけじゃないのに、どうしても不安を拭いきれない。
シーツを握る両手に力がこもる。
「だったらそれでいいのよ。幼馴染として言わせてもらうけど、あの子は昔からすごく出来が良かったの。たいして努力しなくても大概のことはこなせるからいつも無愛想で面白くなさそうな表情をしてたわ。名前をからかわれても癇癪ひとつ起こさないし」
そこで先生はふう、と大きく息を吐いた。
先生の言葉に身体が強張る。
「答えたくないなら言わなくてもいいのよ。冬の王子様、だなんて呼ばれるくらいの生徒だもの、恋人ならではの悩みや困惑もあるだろうし。ただなにか悩んでいるなら力になりたいと思ってね。校医というより、年上の幼馴染として」
「……私でいいのかなって不安になってたんです」
胸を渦巻く気持ちは複雑でうまく言い表せない。けれど一番感じている気持ちを先生の優しい声に背中を押されるようにポツリと呟く。
「それ、氷室くんには伝えた?」
こくりと頷く。
「彼はなんて?」
「……大事だって言ってくれました」
なによりも力強く言い切ってくれた。その気持ちを信じていないわけじゃないのに、どうしても不安を拭いきれない。
シーツを握る両手に力がこもる。
「だったらそれでいいのよ。幼馴染として言わせてもらうけど、あの子は昔からすごく出来が良かったの。たいして努力しなくても大概のことはこなせるからいつも無愛想で面白くなさそうな表情をしてたわ。名前をからかわれても癇癪ひとつ起こさないし」
そこで先生はふう、と大きく息を吐いた。

