白井君の慰め方


もうぐるぐるぐるぐる、口を動かしながらただでさえよく分からない事がどんどん訳分からなくなっていく。正直テンパってる。だって訝しむ白井君がなんか怖い。いつもの無表情と違う。眉間が寄っている所が違う。とっても不機嫌そう。なんでこんな事になっているんだ。なんで私と白井君が拗れる羽目に…そうだ、結局あの人のせいじゃないか。三嶋君のせいでこうやって変な事になるんじゃないか!迷惑だ、本当に勘弁して欲しい。

「…今度さ、白井君からも三嶋君に文句言っておいて欲しい。暇潰しに付き合わされるのも迷惑だって。私が言った所でどうせヘラヘラ笑って流されるだけなんだから」
「…迷惑なの?」
「迷惑だよ。変に絡まれて、意味分かんない事ばっかり言われて、今日もそう。毎回そう!もう思考回路が分からない」
「思考回路」
「だってね?今日なんて始めの予定ではファンにならせるつもりだったらしいんだよ。どういう事だよね、信じらんない」
「ファン?三嶋の?」
「そう」
「それは、相原さんがなるって事?」
「そうらしい。意味わかんないよね、そういうものじゃないじゃん。人の心をなんだと思ってんだろう。暇を持て余したリア充の遊びにはついていけないよ」
「……」
「あっ、でもファンになるよう言われた訳ではなくてね、なんかその予定だったけど私の白井君への想いが重すぎてやめた感じらしくて、だから応援する事にしたとか言われたんだけどいやそれも迷惑だしみたいな感じになって、結局何なのって本人に聞いたら暇潰しだって言われて納得して終わった的な事でした。だから暇潰しで揶揄われてるだけならもう無視が一番って結論に至りまして、これからは積極的に冷たくしていくつもりなのでそれも伝えておいて貰えればと思います」
「……うん」
「……」
「……」
「…む、無駄に長かったよね?ごめんね説明下手で…分かった?」
「うん…なんとなく」
「そっか。……引いた?」
「?ううん」
「……そっか…」
「……」