まさかの暴露である。昨日の出来事をどデカ声での暴露。ていうか、本当?本当に私そんなんだった?私の声真似をした三嶋君の裏声の甘ったるさが鳥肌ものだった。猫撫で声というか。擦り寄ったっていうけどそんなに寄り添うみたいな仕草をした記憶も無い。
「そ、そんな訳ない!そんな訳ない!」
「いーやしてたね。俺驚愕よ」
「嘘だ、あり得ないっ!」
「それが本人には分からないもんなんですわ。本能って怖いねー」
「本能ってそんな…そんな馬鹿な…っ」
思わずその場に崩れ落ちた。信じられない…そんなのつまり、本能って私は、私の恋心は、
「ダダ漏れって事…?」
「いかにも」
「泣きたい…」
膝をついて顔を上げられない私の背中をポンポンと手が触れる。隣にしゃがんだ三嶋君のものだ。
「いいじゃん。奴にはそれくらいしないと伝わらないって。ナイスファイトよ」
「それは困るんだよ…」
「なんで?」
「だって私、ファンだし…」
「その謎のこだわり何?」
「……」
なんで三嶋君にそこまで話さなきゃいけないんだという視線を送ると、彼はまた他の皆さんの方へと顔を向けたので慌てて止めた。これ以上何かを暴露される訳にはいかない。
「だって迷惑になるから」
「何が?」
「私が、白井君の事を好きになったら」
「今も好きじゃん」
「いや好きだけども。好きだけど、それ以上を求めてはいないんだよ…」
求めてはいけないからファンという事で落ち着いた。最近ではもう戒めみたいなものだ。ファンであれば変に恋愛が絡んで彼を傷付ける事も無い。



