「え、そうなの?みんな白井の為に立ち向かう相原さんは白井の彼氏と話題でしたけども?」
「!…そういう意味だったのか!」

初めて意味を知った。ただ周りにバカにされてると思って右から左だったけれど、そんな意味があったのか。「褒め言葉だったのか…」と、思わず呟くと、三嶋君はゲラゲラと笑った。

「相原さん相変わらずマジで面白い」
「そうですか」
「てか、付き合った報告待ってたのですが」
「…なんで?」
「なんでって。俺応援してたじゃん。つまり俺のお陰じゃん。報告義務でしょ」
「あなたのお陰が何一つ見当たりませんが」

「うわ、辛辣〜」と、また楽しそうに笑い出す。今のやり取りの何が楽しかったのだろう。さっぱり分からない。そして何故かそのままガバッと肩を組まれた。重い!近い!!

「てかさ、俺は相原さんの連絡先を知りませんが。おかしくない?」
「何もおかしくない」
「俺の知りたくないの?」
「知りたくない」
「なんだよ忘れた?俺達親友じゃん」
「いつ親友になったの?肩組むのやめて!」
「は?肩組んだらもう親友だろ!」
「そんなの初めて聞いたんだけど!」

なんかもう親友の押し売りを当然の事のように言ってくるのが面白くて、つい笑ってしまった。結果的に、ギャーギャー言い合いながら笑い合ってしまった。ちょっと楽しかった。

…が、この騒ぎを廊下でしていた事をすっかり忘れてしまっていた。

「何してんの?」
「!」