そして少女は兵器を討つ

赤い霧の中で、塵が泳いだ。

私は霧を、すぐに吸い寄せる。失った腕から骨が突き出し、筋肉がそれを覆う。血管と神経が指先まで絡まり蔓延り、皮膚が浮かび上がってくる。

再起した、再生した手を一度握り、開く。

生きてる。私は、生きている。

晴れた晴らした赤い霧。

やや証明の少なくなった部屋の中、

「「生き」「いきる」「生きル」「イきル」「よくも」「い」「よくも」「生き」「よく」「きる」「よくもよくも」」

彼女の眼球が飛び出し、血走っていた。

ただでさえ歪んで醜いからだは今、右肩から先がゴッソリなくなっている。

血が溢れて床に滴り、なまぬるい音。肩口がザラザラと灰と化していた。肩を繋いでいたらしい女の状態だけが、『彼女』の二の腕そばで泣いていた。

私は、

「「よくも」「私」「よくもよくも」「生きるイキルいき」「よくも私を」「お前」「私生きる」「おま」「よくも」!?」

彼女を、睨んだ。

ミミズのようにのたうつ体を怒りに震わせて、突進してくる。