肌色の津波が、襲いかかってくる。
「「待」「て待て待」「て待」「て待て」「待て――ぇ」!!」
三日月の笑みを浮かべたアイツを頭にして、その巨体がトカゲのように。
膨らんで大きすぎる体が、部屋の壁に衝突しては轟音をあげた。
吊るされている照明灯が、ギチャギチャと音を立てる。
「「逃げ」「る逃げる逃」「げるのはよ」「くないよお前」「私」「食べ」「てあげる」「からさあ」「はは」!!」
太い太いアイツの右腕が、突き出された。
その腕から生えているダレカの腕腕腕腕、手手手手、掌掌掌掌、指指指指も、一斉に私へ。
その肌色の表面がビチビチと裂けて、百千万億、数えきれない口を開いた。
ひとりなのにたくさん、たくさんなのにひとり……ひとりなのにたくさんなのにひとりたくさんひとりたくさん……
腕が手が掌が指が笑う。
「「ひ」「きゃきゃ」「はひゃひゃきゃ」「きゃひゃ」「はははひきゃはっ」!!」
「来る、なぁぁ゛ああぁぁ゛!!」
「「待」「て待て待」「て待」「て待て」「待て――ぇ」!!」
三日月の笑みを浮かべたアイツを頭にして、その巨体がトカゲのように。
膨らんで大きすぎる体が、部屋の壁に衝突しては轟音をあげた。
吊るされている照明灯が、ギチャギチャと音を立てる。
「「逃げ」「る逃げる逃」「げるのはよ」「くないよお前」「私」「食べ」「てあげる」「からさあ」「はは」!!」
太い太いアイツの右腕が、突き出された。
その腕から生えているダレカの腕腕腕腕、手手手手、掌掌掌掌、指指指指も、一斉に私へ。
その肌色の表面がビチビチと裂けて、百千万億、数えきれない口を開いた。
ひとりなのにたくさん、たくさんなのにひとり……ひとりなのにたくさんなのにひとりたくさんひとりたくさん……
腕が手が掌が指が笑う。
「「ひ」「きゃきゃ」「はひゃひゃきゃ」「きゃひゃ」「はははひきゃはっ」!!」
「来る、なぁぁ゛ああぁぁ゛!!」

