そして少女は兵器を討つ

よく見れば、ここにいる人間の体がおかしい。

ある男の腰が、女の腰と繋がっている。これはわかる。けど、その男の右手が、横にいる別の女の胸へぬめり込んでいる。

その女の顔面には、またほかの男の腕が溶け込み、その男の首から上は、またほかのの男の腕が溶け込み、その男の首から上はまた別の女の股にぬめり込み、その女の手足の先からは、男と女の首がひとつずつ生えて、笑っていた。

私はコイツを知っている……私はコイツを知っている。

「「い」「つまた逢」「えるか」「ずっと待」「ってたよ!」「私」「お前を」「食」「って生き」「るお前私の」「糧に」「け」「けけくけけけ」「け」「きゃけはけけ」!」

それは、ゆっくりと全身を起こしあげた。

床一面に広がっていた人肉の絨毯が、そいつを頭にして立ち上がる。

高くはない天井、照明灯に丸めた背をぶつけながら、そいつはあの時と同じ、綺麗な綺麗な三日月の笑みを見せた。