私は、その重々しい鉄扉を開いた。
中から錠がかけられていたようだが、そう、私の力は思いのほか強い。
二、三度力を加えたところで、錠がちぎれ飛んだ。
海辺に近い、倉庫のひとつ。
闇夜に佇むその外観は、なにかの繭にも思えた。
いや、実際のところ、繭なのだ。この丸みを帯びた巨大な長方体の地下で、人間がとろけているのだから。
私は、地下への階段を踏んだ。
甘い匂いがそのたった一歩から香ってくる。
見えない真綿でもあるように、息苦しさを覚える。百の目玉が、こちらを見つめているような、圧迫感さえある。
とてもたくさんのものが、腐臭を散らしながらひしめいているような空気。
この感覚……どこかで一度、体験したような気がした。
どこなのか、わからない。知識が答えを与えてくれない。本能が、知識への接続を拒絶している。
思い出さなくてもいいと、心が鳴いていた。
中から錠がかけられていたようだが、そう、私の力は思いのほか強い。
二、三度力を加えたところで、錠がちぎれ飛んだ。
海辺に近い、倉庫のひとつ。
闇夜に佇むその外観は、なにかの繭にも思えた。
いや、実際のところ、繭なのだ。この丸みを帯びた巨大な長方体の地下で、人間がとろけているのだから。
私は、地下への階段を踏んだ。
甘い匂いがそのたった一歩から香ってくる。
見えない真綿でもあるように、息苦しさを覚える。百の目玉が、こちらを見つめているような、圧迫感さえある。
とてもたくさんのものが、腐臭を散らしながらひしめいているような空気。
この感覚……どこかで一度、体験したような気がした。
どこなのか、わからない。知識が答えを与えてくれない。本能が、知識への接続を拒絶している。
思い出さなくてもいいと、心が鳴いていた。

