「だからつまりー」

できるだけ噛み砕いて説明することに彩人は全力を尽くしている。

頭の回線がショートしたらしい太陽の頭上には、山ほどクエスチョンマークが飛んでいた。

「さっきの子は……えーいめんどくさいな、藤くんっていうらしいんだけど、藤くんは、別に紅羽ちゃんとはなんの関係もないんだよ」

「そーなのか……？」

「そーなの。昨日のは、彼が言うには、だから八つ当たり？ らしいね」

「八つ当たり……。なんで八つ当たり……？」

「そんなの俺は知らないよ」

とにかく！

と彩人は声を大にして言う。そりゃもう強調する。

「太陽が思い悩むことはなにもないんだよ！ いい！？ 明日からは紅羽ちゃんのこと、避けないように！ 部活もちゃんとするように！」