目で“どっかに行け”と言うと、彼は大人しく去っていった。

……立ち聞きしていないだろうな……。

まあいい。

廊下の窓から彼女の姿を発見して走ってきたので、息がわずかに上がっていた。

呼吸を整えていると、おっかなびっくり向日葵が近寄ってくる。

「ど、どうかしたんですか? 大丈夫ですか?」

「大丈夫……。部活中? ごめんね、邪魔して」

「平気です」

「園芸部だったの?」

「はい」

嬉しそうに彼女が微笑む。