忘れられるはずはないだろうが。

その後、電車に乗り込み、太陽を再起動させる。

太陽の家の最寄り駅に着く頃には復活させたが、ショックは薄れてはいなかった。

うーん、と考え込みながら彩人は電車に揺られる。

太陽は、どこからどう見ても紅羽に恋をしている。

うん。そうじゃなきゃおかしい。多分、自覚はないけど。

ちなみに焔も紅羽も気づいていなさそうだったけど。

紅羽はそのうち勘づくんじゃないかなあ。

そしてその紅羽だが、微妙である。

最近太陽を意識してはいる、が、恋愛感情かまでは判断できない。

しかし恋人はいないだろ……。

誰なんだろうなあ、あの男子。

目が合ったなら牽制かな? でも、そういう雰囲気でもなかったような……。

うーん。まあいいか!

彩人は思考を放棄した。わからないことはわからない。

そのうち紅羽に訊いてみようかな。光輝との関係もあるしな。

そんな結論を出した頃に、電車がゆっくりと停車した。